第10回会合:価値をデザインする〜リ・ルネサンス時代の未来考古学〜

 6月24日の研究会は、デザインシート自体を作成された内閣府の宇津木さんを招いて、その裏話や研究会メンバーも使っている中で疑問に感じたことなどをぶつける会となりました。
当初は、3月に予定していたのですがコロナで開催でず、ようやく6月にひらくことができました。とはいえ、ソーシャルディスタンスを守って半分の方はオンライン参加です。
(僕個人としては、こういう会のオンライン配信をほぼぶっつけでやることになったので、良い経験になりました。知的資産的には構造資産を高められたかなと・・・。その代償として写真を撮れなかったので今回は写真なしです。。。)

 事前やりとりで「一方的な勉強会の場なのか、相互で発想を生み出す場なのか?」という問いかけがあったのですが、私としてはせっかくの機会なので「相互で発想を生み出す場として欲しい」という話をしていました。

 特に今回大きなトピックだったのは、デザインシートの「これまで」の部分の取扱です。人によってはジャンプする発想では不要という人もいれば、長い歴史がある企業はこの部分を捨てて新しいことをやる風にはなかなかならないのではという話まで。ここは、デザインシートが作られた背景にある、世界の中で新しいことを生み出す文化を作っていくという視点では、「これまで」に囚われすぎるとマイナス面が多いけど、実際の企業が使う場合や金融機関等がリスクを判断する場合には、今までの実績を参考にするのでどうしても「これまで」が重要視されるという話が印象深かったです。

 また、デザインシートの使い方に対する疑問も多く上がっていましたが、最終的には使い手が信じた使い方が正解という部分も、納得いくものでした。(どうしても答えを探しがちになるけれどこの点は反省)

ここに書ききれないくらいたくさんのトピックが飛び交っていました。研究会内での対話ももっと活発にしていきたいと感じたカイチョーだったのでした・・・・

第9回会合:coronaを梃子に強くなる

 5月の研究会は、当初予定していた実務従事の発表を7月に延期して、コロナ到来の今、社会はどうなるのか?診断士はどうしていけば良いのかをディスカッションしました。

 ディスカッションとはいえ、何もないところから話を進めるのは厳しかったので導入として「世界2.0」の説明をしました。この「世界2.0(英語では、world2.0)」は経済学者のタイラー・コーエンがという人が自身のブログに載せていたものですが、コロナによる社会の変化とその先を考える上で参考になります。事実この1〜2ヶ月で様々な常識が覆されてきたと思います。

チラッと見せるとこんな感じ

 さて、この概念をベースに一人一人、気になる項目と予測とそれに対してどうしていくかを話しながら、それに対して他の人がコメントを出していくスタイルで進めました。

 今回の話の中では大きく二つありました。
  ①体力がある企業が、結局は制度をうまく活用していく。
  ②小さくても生き残る企業は「関係資産」がしっかりしている。

 ①は、多くの企業が融資窓口へ殺到している状況ですが、これを見ていると体力のある中小企業が今回のコロナで使える各種制度を金融機関と一緒に考えて有効に活用しようとしているケースが結構あるということ。逆に今まで融資を受けたことがない企業や、自転車操業的な企業は制度を活用しようにもうまく活用できないケースも見受けられているので、最終的にはうまく活用できる企業が生き残るのではということ。

 ②は、①な状況があるとはいえ小さな企業でも、周り(取引先や顧客)で支えてくれる人たちの助けによってこの窮地を切り抜けようとしているケースが多く見られる。特に、飲食店の応援や顧客がSNSでその企業の売り上げに貢献できる情報を発信していることがあります。

 知的資産経営的な観点でいけば、関係資産をきちんと把握していくことがこういった危機の時には重要なのと、人的資産では、コロナ後でも対応できる人材を育てることが大切、また構造資産ではこういった危機でを乗り越えられる社内の仕組みや知名度などが必要といったところでしょうか。

 オンラインでの開催も他のところでもやってきたのでだいぶ慣れてきましたね。集合形式よりも画面共有ができたり、一人一人の意見をしっかり聴けるところは進めやすいのかなぁと思いました。また今回は、ただ話すのではなくホワイトボードの代わりにパワポを映しながらそこに書くことを試しました。(これ、実はこちらからアイデアを拝借したものです)

 診断士も、オンライン上の新しいツールをどんどん活用していくことが大切という話がとても印象深かったです。

第8回会合:金属加工業の知的資産報告書作成事例

第8回目の研究会はコロナ感染で集会ができない中、4月22日(水)にオンラインにて開催しました。

 今回は、診断士が協力して短期間で特定の企業を支援する「実務従事」の開催報告です。
「実務従事」というのは、診断士の資格維持のための制度です。診断士は5年間に30日以上の経営診断に従事しないといけませんが、企業内診断士の場合は個人で経営診断を行うことが難しいため、実務従事を活用して経営診断を行っています。

 今回報告された実務従事は、去る1月〜2月に当会のメンバーが参加した金属加工業の知的資産報告書作成事例になります。今回は、その知的資産経営報告書にあわせて経営デザインシートも作成したところが特徴的です。この二つを合わせて作成するときにどのように作成したのか?どういうところが気づきだったのかといことを中心に意見交換されました。

今回の中で気になったコメントは以下の通り
 ・知的資産報告書を書く時にはアクションプランを作らない。
 ・通常の診断報告書はダメ出しする報告書に対するアクションプランを考える。
 ・デザインシートはダメ出しというよりは知的資産の考え方をベースにやっていたので改善よりはどうやって価値を生み出すかのアクションプランと考えていた。
 ・一応知的資産経営報告書もクロスswotまではやるが合う時と合わない時があると思う。

また、意見交換をしていくうちに、コロナ後の社会を見据えて知的資産経営の活用方法を今後考えていく必要があるのではないかと言うのも出てきましたので、5月の予定を変えてコロナ後のことを考える会を行おうと思います。

次回は5/27にオンラインの予定です。


第7回会合:ライトニングトーク

こんにちは、カイチョーです。コロナウィルスが世間を騒がせる2月26日、研究会も周りの各種イベント開催自粛のことをが一瞬頭をよぎり見送ろうかと思ったのですが、逆境をチャンスにといことで、リモートワークを試してみることにしました。

さて、今回のデザイン研究会のテーマはライトニングトーク!
今までは、どちらかといえば知的資産経営のお勉強的な内容が続きましたが、この研究会は尖った発想を持った診断士を増やすことがテーマなので、ここでそういったアイデアを発散してみたくなったからです。
ちなみに、ライトニングトークとは5分で自分の思っていることをプレゼンし、参加者から様々な意見をもらうことです。元々はIT業界で新しいサービスやソリューションを思いついた時に行うことから始まったそうです。
ご参考https://note.com/mc_kurita/n/n5db9cba224b5

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第6回会合:老舗玩具店の事業承継をデザイン

1月定例の風景

今回の研究会は、事業継承を検討中である、上野にある老舗玩具店の事例をもとに、冨坂会員より発表してもらいました。老舗玩具店ということで、街中の小さな玩具屋さんをイメージしていたのですが、実態は、駅前に自社ビルを持つ大きな店構えのお店で、以前は全く別の商売をやっていたのを、現社長の代で玩具店に転換後大きく成長した企業でした。

と言うことで、研究会の中でも「電車から見えますよね」とか「知っている」といった声もちらほら聞こえてきました。

発表は冨坂会員が事業継承を進めることを想定してデザインシートを作成してみた結果を発表してもらい、各メンバーから事業継承に対するアイデアや、そもそも事業承継を進めるケースでのデザインシートの使い方についての質問や意見を自由に語り合う形になりました。

特に、事業承継の場合は現状を現社長が、未来を承継者が一緒に作りながら進めるといいのではと言う話が以前からありましたが、どうしても現社長が作り上げてきた流れに囚われてしまい、うまくビジョンを描けないケースが出てくると言うことを今回は考えさせられました。逆に、ジャンプするためには「これまで」を書かないことも一つの方法ではと言う意見まで。

活発な意見交換で今回も時間いっぱいになりました。まだまだ使い方には改良が必要そうですね。